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教師インタビュー

by日本語教師スタイルマガジン編集部 日本語教師スタイルマガジン編集部

清水英美子さん(Coto Japanese Academy)

日本語教師としての「私の流儀」

飯田橋にあるCoto Japanese Academyで日本語教師をされている

清水英美子」さんにお話を伺いました。

清水英美子女史のプロフィール】

イギリスの語学学校へ留学した際、学習の悩みを聞き励ましてくれた先生との出会いにより、教師という仕事に興味を抱くようになる。

イギリスから帰国後、ハローワーク主催の日本語教師養成講座を修了。2013年にワーキングホリデーの制度を利用してオーストラリアに渡航し、メルボルンのJICという語学学校で日本語教師として1年間勤務。

オーストラリアから帰国後、掛け持ちで留学生対象の日本語学校と、就労者やその家族を対象としているCoto Japanese Academyで働き、現在も日本語のクラスを担当し活躍中。

Q.日本語教師を目指したきっかけを教えていただけますか。

短期留学でイギリスに行くまでは、実は日本語教師という仕事をあまり知りませんでした。大学卒業後と2011年の2回、イギリスの語学学校に留学しました。2回目は半年ぐらい行っていたのですが、そのときに出会った先生がすごくいい方でした。ヨーロッパの学生さんが多く、日本人が少ない学校だったので、どうしても言葉の語順や単語といった面でハンデを感じてしまいました。そのような悩みを抱えていたときに慰めてくれたのが、その先生でした。

 

そして、自分も教師の仕事ができたらいいなと漠然と考えるようになりました。自分は日本人なので日本語が教えられるのではないかと考えて、日本語教師の資格を取得することを決めました。

Q.留学先にイギリスを選んだことに特別な理由はありましたか。

元々園芸や環境について学んでいて、ガーデニングなどが大好きだったので、イギリスを選びました。園芸の専攻を活かして、オーストラリアの語学学校では、苔玉作りのような文化体験も行いました。

Q.今はどのような方を教えていらっしゃるのでしょうか。

Coto Japanese Academyでは、日本で働いていらっしゃる外国人とその家族が日本語を勉強されています。コロナ禍以前は短期滞在の方も多かったです。国籍は、アジアの方もいらっしゃいますが、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアといった欧米の方が主です。

 

授業の形態は、グループレッスンとプライベートレッスンがあり、割合は半々くらいです。グループレッスンは最高人数が8人なので、少人数での授業です。

 

レベルとしては、初級・中級くらいが多い印象です。私は初級から中上級を中心に担当していますが、基本的にはどのレベルにも対応できるようにしています

 

 

 

 

 

Q.どんな教材を使っていらっしゃいますか。

教科書は、初級の場合は『げんき』、中級の場合は『中級へ行こう』を使うことが多いです。学校のオリジナル教材もあるので、それも使っています。教材に関しては、なるべく写真などの生のものを使うようにしています

 

Q.日本語教師としてのこだわりを教えてください。

コミュニケーションと学習者の日本語が「通じること」をいちばん重視しています。もちろん言語としての正しさや文法としての形は大切なのですが、言語学を教えているわけではないので、重要なのは学習者が「自分の伝えたいことが伝えられる」「自分の聞きたいことが聞ける」ということだと思います。コミュニケーションに役立つサバイバル的な日本語を教えることがこだわりです。

 

これは、自分自身がイギリスへ留学して生活した経験とも繋がっています。教科書の表現と外の世界で話すことは、まったく同じではありません。教科書の表現をそのままというよりは、いろんな人の多様な表現や使える会話表現を大事にしています。

Q.ご自身の日本語教師としての強みはどんなところでしょうか。

関西人なので、楽しさは意識するようにしています。楽しい授業を通じて、学習者が伝えたいことを伝えたり、聞きたいことを聞いたりできるような日本語のレベルになれるよう、日本語を教えています。学習者が日常生活や仕事の目標を達成できるように、自分にできることはなんでもやっていきたいというところが強みなのかなと思います。

 

Q.尊敬する日本語教師はどんな方ですか。

学習者を第一に考えることができる教師が理想です。教師の仕事はあくまで学習者のアシストだと思っていますので、そのアシストに徹底している先生や、学習者を楽しませながらも伸ばすことができる先生を見ると、すごいなと感じます。

 

Q.日本語教師として働くうえでの喜びを感じるのはどのような時ですか。

やはり学習者の成長です。授業の回数を重ねるごとに、だんだんリラックスしてきたり、自信を持ってきたりして変わっていく姿を見るのが好きです。

 

学習者によって勉強のスピードや理解度は異なりますので、学習方法に向き不向きがあります。グループレッスンで周りの人に圧倒されて自信をなくしてしまう方もいれば、教師と1対1のほうが緊張するという方もいるので、学習者の様子を学校に早めに相談するように気を付けています。その結果、グループレッスンで苦しんでいた学習者がプライベートレッスンにしてからのびの勉強するようになったときなどは、とても嬉しかったです。

 

Q.逆に、苦労はどんなものがありますか。

日本語教師として働き始めた頃の話なのですが、授業準備が大変でした。漠然と授業作りをどうすればいいのか分からないということに加え、学習者の文化的背景や年齢(ジェネレーションギャップ)ではどんな授業のトピックなら理解しやすいのかというところも悩みました。つまらない授業にならないように、なるべくリアルなシチュエーションを提示できるようにし、授業をやりながら「今日はうまくいかなかったな」「どうして伝わらなかったのかな」と試行錯誤を重ねました。

 

また、私は出身が大阪なので、標準語とイントネーションが微妙に違うときがあるようです。自分でも自覚していないときがあるので、意識的に修正するのが大変です。

Q.学生さんとの思い出で何か印象深いものはありますか。

Coto Japanese Academyに入ってから、何年か料理クラスを担当していました。日本語に限らず、カルチャークラスということで、学習者と一緒に楽しみながら日本文化を教えることが好きです。料理クラスで人気のメニューは飾り巻きでした。

 

学習者との思い出

 

Q.Coto Japanese AcademyさんのFacebookやホームページを拝見していると、料理や習字など楽しそうな日本文化レッスンが多いのですが、どのように企画されているのですか。

最近はコロナ禍で難しくなってしまいましたが、以前は習字やお茶、生け花のクラスを開講していました。

 

確か私が入った時に、面接でオーストラリアでのカルチャークラスの話をしたところ、「じゃあ、うちの学校でもやって」ということになりました。外部から日本文化を教えてくれる先生を呼んだり、Coto Japanese Academyに所属する日本語教師の得意分野を活かしたクラスを企画したりしています。

 

Q.これからの日本語教育についてどのようにお考えですか。

翻訳機など便利なツールも出てきていますが、「自分の力で分かりたい」「自分の言葉で伝えたい」というような気持ちは絶対になくならないと思うので、日本語の需要もなくなることはないのかなと思います。コロナでオリンピックが残念な状態になってはいますが、また以前のように旅行ができるようになれば、来日してくれる方もたくさん増えると思います。

 

個人的な目標としては、言葉はツールなので時代によって変わるということを意識して、リアルタイムで対応していけるようになりたいです。

 

Q.座右の銘を教えていただけますか。

みんな違う」ということと、どんな人も可能性があるということです。ステレオタイプなどはあってないようなものなので、先入観やイメージに囚われず、広くその人を見るようにしています。

 

Q.どんな働き方が自分らしいと思いますか。

日本語教師を始めた頃は本当に仕事だけという感じで、それが楽しみでありやりがいでもあったのですが、今は自分自身のプライベートとのバランスが取れているほうが、もっと話の枠が広がるのではと感じています。プライベートも充実させながら働いていきたいです。

 

働き方はオンラインでも対面でもどちらでもいいと思っています。今は対面のほうが多いのですが、今妊娠中なので、今後はオンラインのほうに移行していって、自分のペースで働くことができればと考えています。

 

Q.日本語教師という仕事を通じて学んだことを教えてください。

どんな考えでも許容できるようになりました。日本人の常識なんて世の中の常識ではないということを学び、どんな考えも尊重できるようになり、心も広くなったような気がしています。

 

日本との文化的な違いですが、学習者が授業中にぐいぐい発言したり、自分の意見を主張して引かなかったりする積極的な姿には、最初圧倒されました。日本人との違いに戸惑いもありましたが、次第にはっきりしていていいなと思えるようになりました。むしろ「日本人はどうしてもう少しはっきり言わないのか」「もうちょっと前に出ればいいのに」などと思うようにもなってきました。

 

Q.最後に、清水先生にとっての日本語教師の魅力を教えてください。

日本語教師の仕事で学んだことと通じますが、常識がなくなるというところと、広い考え方ができるようになるというところだと思います。これは私自身が経験して得たことです。いろんな方といろんな考え方で話せるということが、楽しみでありおもしろさでもあります。

 

また、日本語という日本でしか使えない言葉を学んでくれる外国の方がいるというところに、とても感謝しています。そのような方たちと交流することで、自分も改めてより日本のことが分かったという感じもします。他の国を通して日本を見ることができます。

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日本語教師スタイルマガジン編集部

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この記事を監修した人

「言葉を教え、文化を広げ、異文化に橋を架けよう」というサービス理念のもと、国内・海外に日本語教育を展開している会社です。日本語を学び、日本語を使い、日本語でつながり、夢を実現するまでの教育を行っています。

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