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日本語教育トピックス

byマガジン編集部 マガジン編集部

海外日本語教育のニュース

2020年~2021年の海外における日本語教育に関するトピックをまとめました。日本語教育の現状について知る手助けとなれば幸いです。

海外での日本語教育にまつわるデータ

国際交流基金は、2020年6月30日に2018年度の「海外日本語教育機関調査」を発表しました。3年ごとに行っている調査の最新版です。このデータによると、海外で日本語教育機関がある国・地域の数は142ヶ国で過去最高となりました。2015年度は137ヶ国でしたが、今回、東ティモール、ベリーズ、モンテネグロ、ジンバブエ、モザンビークで新たに日本語教育の実施が確認されました。

 

海外における日本語教育機関、教師数、学習者数の前回調査(2015年度)からの推移は、以下の表のとおりです。

機関数の上位3ヶ国は韓国の2,998機関、インドネシアの2,879機関、中国の2,435機関となっており、この3ヶ国で全体の4割強を占めています。教師数の上位は中国の20,220人、韓国の15,345人が前回同様1位、2位ですが、この3年間で教師数が急増しているベトナム(7,030人)が3位に来る結果となっています。学習者数については、中国の1,004,625人、インドネシアの709,479人、韓国の531,511人が上位3ヶ国です。

 

東アジア地域では機関数、教師数が増加している一方、学習者は僅かに減少しています。韓国や台湾では少子化による人口減少の影響で減少していますが、中国での増加分により東アジア地域全体ではわずかな減少に収まっています。次いで日本語教育の規模が大きい東南アジア地域では、機関数と教師数が大幅に増加し、学習者数も地域全体で10万人以上増加しています。技能実習制度や日系企業の進出による訪日機会の増加が大きな要因と考えられます。北米地域では、日本語教育を取り巻く状況として共通して挙げられるのが、外国語教育関連の教育予算の縮小です。中東やアフリカでは、教師確保の難しさや社会面・経済面の不安定な情勢のため、日本語教育の規模は比較的小さくなっています。

 

2018年度の調査では、教育機関数、教師数も過去最多でアジアでの増加が目立ちます。1万9,306機関が調査に応え、回答率は96.89%でした。現在のコロナウイルスの影響が次回の2021年度の調査データにどのように現れるのか、注目が集まります。

 

参考:国際交流基金 2018年度 海外日本語教育機関調査

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/survey18.html

 

相次ぐJLPTの中止

新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年度のJLPT(日本語能力試験)が相次いで中止となりましたが、2021年2月時点で、クアラルンプール(マレーシア)、ブリスベン(オーストラリア)、ロンドン(イギリス)、ストックホルム(スウェーデン)など、一部地域ではすでに2021年度7月の試験の中止が発表されています。

 

2020年度は6月のEJU(日本留学試験)も多くの地域で中止になったため、JLPTがその代わりとなることも期待されましたが、JLPTも実施が難しい状況にあり、留学生の大学進学に影響を及ぼしています。

 

JLPT公式サイト:https://www.jlpt.jp/application/overseas_list.html

 

2020年度の入国者数が86%減少

出入国在留管理庁は、1月29日に、2020年に日本に入国した外国人は430万7,000人で、前年より2,688万人(86%)減少したと発表しました。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で入国拒否などの水際対策が進み、特に3月以降は激減しました。

 

外国人入国者は2019年に過去最多の3,118万7,000人になりましたが、2020年は一転して、1996年(424万5,000人)以来の低水準となりました。ビジネス関係者、留学生、実習生に限り、政府は水際対策を一時緩和したものの、国内での感染状況の悪化や変異ウイルスの発生を受けて年末から再び入国規制を強化しました。今後も入国者数の回復は見通せない状況です。

 

同庁によると、昨年の入国者のうち新規入国者を国籍・地域別に見ると、中国の83万6,000人が最も多く、次いで台湾の64万7,000人、韓国の43万3,000人でした。在留資格別では、短期滞在の336万1,000人、技能実習の8万4,000人、留学の5万人の順でした。

 

2020年11月から2021年1月21日までの期間に関しては、入国外国人12万8,625人のうち、ベトナム人が4万9,106人を占め、ベトナム人留学生および実習生の入国ラッシュとなりました。コロナ禍においても「人手不足の解消」を目的として、実習生の受け入れが行われていることが分かります。

 

参考:朝日新聞デジタル「20年の入国外国人86%減 激減の中でベトナムが堅調」

https://www.asahi.com/articles/ASP1Y5R56P1YUTIL020.html

 

外国人採用と日本語教育の促進

「特定技能」という新しい在留資格の創設、コロナウイルスの感染拡大の影響により、外国人採用とその日本語教育に関する新規事業が増えています。

Japal(ジャパ―ル)

南海不動産株式会社(大阪市浪速区)と株式会社大倉(大阪市都島区)およびネパール法人であるTERAKOYA Academia, Inc.が連携し、有料職業紹介サービスである「Japal」を2021年3月から開始します。日本のIT人材不足問題の解決を目的に、ネパールのIT・技術系人材に無償で日本語・日本文化教育を提供のうえ、職業紹介を行います。

ネパールはインドや中国、ベトナム等に続くIT人材の輩出新興国として近年注目を浴びています。このJapalでは、ネパール随一の優秀さを誇るトリブパン大学出身者や、隣国のインド工科大学出身者をはじめとした、一流の人材を紹介することが可能です。現在は3名のネパール人材に対し、首都・カトマンズに開設した教育施設で、来日経験のあるネパール人日本語教師を現地採用し、約半年間の日本語教育を先行で開始しています。3名はいずれも日本企業での就職内定済みで、2021年夏の来日を目標としているそうです。

アフターコロナ時代において、海外人材の安定的な獲得、グローバル化、ダイバーシティ化を推進し、日本企業の今後の在り方に対する確かなソリューションを提示する事業になると期待されています。

参考:PR TIMES「南海不動産と大倉がネパールIT・技術系人材に無償で日本語教育を提供する海外人材紹介事業開始!!」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000074711.html

南海不動産公式サイト:https://nankaifd.co.jp/post-149/

 

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マガジン編集部

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この記事を監修した人

「言葉を教え、文化を広げ、異文化に橋を架けよう」というサービス理念のもと、国内・海外に日本語教育を展開している会社です。日本語を学び、日本語を使い、日本語でつながり、夢を実現するまでの教育を行っています。

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