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日本語教育トピックス

byマガジン編集部 マガジン編集部

現役日本語教師の本音

「日本語教師」というと、待遇や労働環境について大変だというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、実際に日本語教師として働いている方の本音はどうでしょうか。日本語教師として勤務して5年以内の方8名にお話を伺いました。これから日本語教師を目指す方や、同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

インタビューした日本語教師

今回のインタビューは、日本語学校、海外の大学、NPO、企業所属などさまざまな場所・勤務形態で働いていらっしゃる方々から回答をいただきました。日本語教師の働き方の幅広さが分かると思います。

給与について

待遇は思ったより良かったです。市がバックにある離島の日本語学校で勤務しているため、離島手当が8万あり、地方の割に給与が良いかもしれません。住居に関しても、希望者は公務員宿舎に入ることができます。  

  • 日本語教師で生計を立てていくと決めていたので、日本語学校の非常勤教師では不十分だと思い、企業所属の日本語教師として勤務しています。生活に困らない程度の収入をいただいています。授業以外の事務作業もありますが、個人的には様々な業務を担当できていい気分転換になっています。PCスキルや語学力、事務処理能力などを活かしたい方にはおすすめの働き方です。

 

  • 授業以外、例えば授業準備や採点には、給与が発生しないのは聞いていた通りだったので驚きはしませんでしたが、それらの時間が実際の授業時間よりも長くなることもざらにあるので、待遇はあまり良いとは言えません。

 

  • 非常勤だと交通費の上限があるため、学校の良し悪しではなく、必然的に近場で選ぶことになって困っています。近場に学校が無い場合は、上限がない学校を探すしかないといった状況です。

 

  • 昇給やボーナスは期待できないです。

授業準備について

  • 1日4時間の授業なのですが、今のところ、事前に2~3倍の時間をかけて準備しています。時給に準備時間も含めてならしたら、1/2または1/3になるかもしれませんが、まだ就職して1年半なので、個人的には技術と知識の蓄積ができるまで十分時間をかけるのは必要なことだと思っています。

 

  • 日本語教師1年目なのですが、一つの教案(90分授業×2コマ)を作るのに10時間以上はかかっています。

 

  • ほとんどの日本語学校で授業準備に対する手当がなく、業務時間外に無給でするのが当たり前という風潮があるのがつらいです。

学習者について

  • 学生達が可愛いので彼らの為に頑張っています。やりがい搾取などいろいろと思うところもありますが、学生達が楽しそうに過ごしたり、ひたむきに努力を重ねたりする姿を見たりすると、こちらもそれに応えたいと思います。久しぶりに会った学生の日本語がとても上達していて感動しました。

 

  • 学習意欲が高く親切な学生が多いので、非常にやりがいを感じています。学生との交流を通じて、相手の国についてより深く知ることができるので、日々新しい発見や気付きがあります。

 

  • 学生の精神年齢が実年齢より低いと感じることが多いです。

 

  • 留学生向けの日本語学校では、やる気がなく態度が悪い学生が多いため、生活指導の面でストレスと時間の浪費が多く、授業に集中できないことがあります。しかしながら、生活者向けの日本語教室は少ないです。

 

  • ある程度のレベル(JLPT N3程度)へ達した方は、自分で学習することができるので、日本語教育を本当に必要としているのは、日本語の勉強の仕方がわからないゼロレベルの方や、日本語の授業料に費用や時間をかける余裕がない方なのだと思います。そのため、手軽に学習できるYouTubeやボランティアの教室が人気ですが、そういった場所では資格や経験がない教師も少なくないので、教育の質や実用性が十分なのか疑問です。日本語教育の難しさと葛藤を感じています。

教材について

  • 『みんなの日本語』を使用している日本語学校が多いですが、学生からは内容がつまらないという声もあります。
  • 留学生向けの教科書は多いですが、ビジネスや生活向けの教材はまだまだ少ない印象です。複数の教科書をうまく組み合わせたり、自分で教材を作成したり、アイディアの見せ所だと思います。
  • ひとつの教材でも、場面設定を変えたり使い方を変えたりすれば、何度でも活用できるので、授業準備時間を節約できます。例えば、動詞のイラストカードのセットを作っておくと、て形、ない形、た形など各変換練習に使えますし、ひとりで練習することもペアで問題を出し合うこともできます。

教師同士の関係について

  • 常勤と非常勤の間に見えない壁があり、非常勤教師からは常勤教師に声が掛けづらい雰囲気があります。

求人・職場の選び方について

  • 「東南アジア」で日本語教師の求人を探すと、あまりの給与の低さ(無いに等しい)に驚きました。実際に現地では、ボランティアやインターン生など、日本語教師の養成講座を受けていない人や資格を持たない人が働いているのが現状です。そのような緩さがあるからこそ、国内は無理でも海外でなら働けるかもしれないと希望を持つこともできました。高卒で国内勤務はかなり難しいです。
  • コロナウイルス感染拡大の影響で、海外の求人は減少傾向にあります。ビザの基準を厳格化した国も多く、海外就職をめざしている人には厳しい状況が続いています。
  • 毎回絵カードやフラッシュカードのコピーが大変なので、データで用意したものを使用できるように、教室にモニターやプロジェクターのある日本語学校の方が働きやすいと思います。ただ、若い世代の教師が少ないからか、古い方法のまま現状維持で、新しいことに挑戦しない学校が多いと感じています。
  • 「日本語オンライン」や「NIHON MURA(日本村)」など、日本語教師の求人に特化したサイトがありますし、ハローワークでも日本語学校の求人情報をもらうことができるので、聞いていたとおり売り手市場だと感じました。4年制大学卒業と養成講座の修了を満たしていれば、求人検索には困りませんでした。

異文化交流・国際理解について

  • 外国の方と繋がれて楽しいです。文化、価値観の違いもとても勉強になります。日本語教師の醍醐味だと思います。
  • 色んな国の人と話せたり、異文化を知ったりできるのが楽しいです。
  • 日本にいる外国人が困っている時に、「やさしい日本語」を使って手助けできるようになりました。
  • 例えば南米やアフリカ、中東など、日本と物理的に遠く、普段旅行などで訪れる機会がない国の方々と出会うことができるのは、日本語教師ならではの経験だと思います。一方的に日本語を教えるだけでなく、学習者の国のことを教えてもらい、お互いに学びながら成長していく関係性を築けています。特に、政治や宗教など日本人にはあまり馴染みのないトピックはとても興味深いです。

コロナ禍の現状について

  • コロナ禍で、新たに来日する外国人の絶対数が少ないので、どこの日本語学校も経営的には大変だと思います。

 

  • 留学ビザの審査結果が出て来日が決まったとしても、実際に入国できるかどうかがまだ分からないため、できない場合は留学生の国と繋いでオンライン授業をしなければなりません。対面授業ができるか、オンライン授業になるのかが分からず、なかなか授業準備に取り掛かることができません。

まとめ

ここまで、実際に日本語教師として働く皆さんの本音を見てきました。給与の低さや授業準備時間のことを考えると、日本語教師の待遇は決して良いものとは言えませんが、学生の成長のために頑張っているという方が多かったです。また、異文化交流を通じて自身も成長し続けられるのも魅力かと思います。

日本語教師スタイルは、日本語教師のキャリアアップのための資格取得・就職・転職を目指す方向けのWEBメディアです。インタビューによる日本語教師の生の声、日本語教育・教育業界のお役立ち情報満載です。

<こんな方におすすめです>

  • 日本語教師になることを目指している方
  • 日本語教師のスキルアップを目指している方
  • 日本語教育業界のことを知りたい方
マガジン編集部

マガジン編集部

この記事を監修した人

「言葉を教え、文化を広げ、異文化に橋を架けよう」というサービス理念のもと、国内・海外に日本語教育を展開している会社です。日本語を学び、日本語を使い、日本語でつながり、夢を実現するまでの教育を行っています。

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