こんにちは!みなさんは「日本語教師」という仕事はご存知でしょうか?ここでは、日本語教師の仕事内容について詳しく見ていくことにしましょう。日本語を教えることに興味がある方や、現在日本語教師をめざして勉強中の方に役立つ話をさせていただけたらと思います。
日本語教師の定義
まず、日本語教師の定義について見ていきましょう。日本語教師とは、「日本語を母語としない人々に日本語を教える仕事」です。
日本語教師は「国語」を教える教師ではなく、外国語として「日本語」を教える語学の教師です。日本人が日本語を勉強する場合は「国語」となりますが、日本語を母語としない人にとっては、日本語も「外国語」として扱われるのです。
ちなみに、「母語」とは「母国語」とは異なり、その人が育った過程で幼少期に自然に獲得する言語のことです。そのため、幼少期を海外で過ごした方や、日本人と外国籍の方の間に生まれた子どもなど、国籍は日本でも日本語が母語ではない人もいることになります。
日本語教師は、外国人でも日本人でも、日本語を第一言語としない人に対して、日本語を教える人ということになります。そのため、文法、音声等の専門的な知識や指導の技術が必要です。
どんな人に対して日本語を教えるの?
前項で説明したように、母語を日本語としない人へ日本語の指導をします。具体的には、以下のような場所で学習者に対して日本語の授業を行っています。
日本語教師の仕事内容は、想像以上に多岐にわたることが分かるかと思います。
参考:一般社団法人全国日本語教師養成協議会「日本語教師とは?」 https://www.zenyoukyou.jp/japanese-teacher/
日本国内
- 留学生を対象とした大学や日本語教育機関(日本語学校など)
- ビジネスパーソンを対象としたプライベートレッスンや企業内レッスン
- 来日する人の子どもを対象とした小中学校等の教育機関
- 日本で暮らす外国人を対象とした日本語教室やボランティア団体
- 日本国籍だけれど日本語が母語ではない児童対象のレッスン
- 技能実習生を対象とした日本語研修と生活指導
日本国内の場合、いちばんイメージが強いのが留学生でしょう。
大学や日本語学校で、海外からの留学生を対象に、試験対策や作文指導などを中心とした日本語を教えます。
すでに日本企業で働いている方に対して、敬語をはじめとしたビジネス日本語や名刺交換、電話対応、会議進行などのビジネスマナーを教えることもあります。
最近では、小中学校等の教育機関でも日本語教育への需要が高まっています。文部科学省の調査(2018年度)によると、日本語指導が必要な子どもは全国の公立小中高校などで約5万1,000人に上ります。
親の仕事の都合で来日した子どもや、日本人と外国人の間に生まれた子どもなどです。授業中に生徒の横に日本語指導の教師が寄り添ってサポートする「入り込み指導」と呼ばれる手法や、「日本語教室」として教科の授業とは別の教室で指導する「取り出し指導」といった手法で、クラスの授業についていけるようにします。
参考:朝日新聞GLOBE+「6人に1人が外国籍の小学校 先生が「ここの子どもは本当に幸せ」と言う理由」
https://globe.asahi.com/article/14009995
海外
- 日本への留学準備をする人を対象とした語学学校
- 日本語を外国語科目として選択する児童・生徒・学生対象の現地教育機関
- 日系企業に勤めるビジネスパーソン対象の企業内レッスン
- EPA(経済連携協定)に基づく看護師等の候補者対象の渡日前研修
- 青年海外協力隊、シニアボランティア、日本語パートナーズなどのプログラム
日本国内と同じように、大学等の教育機関や現地の日本語学校で教えることになります。JICA(独立行政法人国際協力機構)のプログラムである青年海外協力隊やシニアボランティア、JF(独立行政法人国際交流基金)が実施している日本語パートナーズなど、公的機関のプログラムに参加するパターンもあります。
日本語教師の仕事内容とは?
これまで見てきたとおり、「日本語教師=日本語を外国人に教える仕事」ですので、授業で教壇に立つというイメージが強いかと思います。もちろん、日本語教師のメインの仕事は日本語の授業です。
しかし、その裏には、授業を行うための事前準備や授業後の採点、成績管理など地道な作業の積み重ねがあります。また、授業のみならず、学習者の仕事や生活に関する相談に乗ったり、進学や転職のサポートを行ったりすることもあります。
- カリキュラム、シラバス、授業予定表の作成
- 授業準備(教案や教材の作成)
- 授業の実践
- 宿題やテスト問題の作成と採点
- 出欠状況、提出物などの管理
- 進路や就職、生活面などの学習者の悩み相談
- 学校行事やイベントの企画、実施
また、日本語教師の仕事には、日本文化を教えるということも含まれています。単に日本語を教えるだけではなく、日本人特有の考え方や日本の習慣などについての指導もしていく必要があります。
例えば、敬語は上下関係から生まれるものです。日本の上下関係は非常に厳しいものですが、国籍によっては育った環境に上下関係のない人々も多数います。そんな方々に敬語の意味やニュアンス、表現方法を伝えるためには、上手にかみくだいて説明しなければなりません。
私たち日本人が日本語を覚える過程で日本文化も習得していくように、外国籍の方にも日本文化を知ってもらうことが、日本語学習の一助になると考えられます。
日本文化を知らないがために、学校や職場で損をしてしまうということがないようにサポートしなければなりません。
まとめ
以上、日本語教師の仕事について説明させていただきました。「日本語教師=日本語学校で外国人に対して日本語を教える」というイメージが強いかと思いますが、教える対象も指導内容も想像以上に多岐にわたることが伝わったのではないでしょうか。
このサイトでは、日本語教師の仕事内容や、現役日本語教師の声、用語の解説など、いろいろなことを紹介していきますので、ぜひ他の記事も楽しみにしていただけたらと思います!このサイトを通じて、少しでも日本語教師の仕事の内容や魅力が伝わればと思っております!