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授業のお役立ち

byマガジン編集部 マガジン編集部

板書事情

みなさんこんにちは。日本語教師、学校の先生といえば「黒板にチョークで板書」というイメージがありますよね。立って話しながら、さらに板書をするのは初心者にはなかなか難しいことです。

 

そこで今回は、現役日本語教師の方にご協力いただいた、リアルな板書事情についてご紹介します。特に台湾の日本語学校で勤務されている先生のお話は、「漢字圏なので学生の目が厳しい!」など興味深いものがありました。

 

電子黒板やタブレットなどのICT活用についても、基本的な事項を確認しながら見ていきます。実際の事例を紹介するので、自分だったらどのような板書・授業をしていきたいか考えながら読んでみてください。

板書の役割

まず、板書は何のために行うのでしょうか?それについて見ていきましょう。 第一に、授業が進むうちに習ったことが流れていかないように学習の記録を残すことです。

 

そして、学習した順番や内容を理解させるという意味があります。

 

最後に(クラス全体で)学習したことの共通理解を促す効果が期待できます。この3つが板書の役割です。頭では理解していても、なかなか上手に板書をできないという悩みもよく耳にします。 それを踏まえて、良い板書とはどのようなものなのでしょうか。現役日本語教師のAさん、Bさんの実体験をもとに考えていきましょう。

板書で気を付けていること

プロの日本語教師でも、板書についてよく悩むそうです。日々の授業で、板書をする際に気を付けていることを伺いました。 台湾で日本語教師をされているAさんは、基本的にすべての漢字にふりがなをふっているそうです。

 

理由は、読み間違いがあって、そのままになっている可能性があるといけないからとのことでした。台湾は漢字圏なので、漢字を見て意味は分かっても、正確に読めているかどうかは分からないので、効果的な方法ですね。

 

また、漢字圏なだけあって、教師の漢字のミスには厳しいようで「先生、漢字が違います!」と学生に指摘されることもしばしばあるとおっしゃっていました。

 

しかし、Aさんは必要以上に落ち込まず、前向きに捉え、自分も改めて覚えるようにする、そう言っていたのが印象的でした。 東京の日本語学校で勤務されているBさんにも同じように気を付けていることを伺いました。

 

板書する文はなるべく短く書くこと、文と文を重ねないようにすることの2点を心掛けているそうです。確かに長々と板書をしていたら、時間もかかってしまう上に、読みにくくなってしまいます。視覚的にすっきりとした構造を意識することで、単語や文章が頭に入ってきやすいという視点で勉強になりました。

 

黒板やホワイトボードを上手に扱って(デザインして)板書を作る、日本語教師は本当にいろいろなスキルが必要な職業だと分かります。しかし、逆に言えば、自分の得意を活かすポイントがたくさんあるとも取れます。 お二方が共通しておっしゃっていたことは、字の大きさは大きく、なるべく読みやすいように丁寧に書くことを意識しているということです。

 

基本的なことですが、とても大切なことです。

自分の板書についてどう思うか

お二方とも、自分の板書については、「字がきれいではない」「バラバラになってしまう」などあまり自信がないようでした。板書について先輩から指導される機会もあまりなかったとのことです。

 

日本語教育を学ぶにあたって、教授法や言語学、音声学などはしっかりと勉強しますが、板書は模擬授業で実践して要領を得ていくしかないからかもしれません。

 

今は、zoomなどを使ったオンラインの日本語教師向けのスキルアップセミナーもあるので、板書術などを解説してくれるものに参加してみてもいいのではないでしょうか。

 

自分に足りないスキルを客観視して補強することは、どんな仕事にも共通することですね。現在は勉強会に参加する方法も、オンラインなど、より手軽になってきました。

 

常にアンテナを張って新しいもの・新しいやり方を吸収していくことができれば、充実した授業や日本語教育を提供できるでしょう。そんな中で、避けては通れなくなってきているのがICT活用です。板書関連ではどのようなものがあるのか、次項で見ていきましょう。

ICT活用

まず、ICTとはなんでしょうか?なんとなく分かっていても、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。ICTは、情報通信技術を意味する言葉です。

 

ICTの教育分野における活用事例としては、オンライン授業や、授業中のタブレット活用、宿題のPC管理などが挙げられます。注意したいのが、今までのチョークで黒板に板書をするアナログ式を完全に廃止し、すべてをデジタル化するのではないという点です。

 

あくまでICT“活用”なので、便利になった技術を取り入れつつ、必要なところは今まで通り、黒板やホワイトボードに手書きで板書もするといった、アナログとデジタルの融合型が良いのではないかという意見があります。

 

ICT活用をすでに取り入れている学校もあります。国内の日本語学校で日本語教師をされているBさんは、学生の課題管理や、オンライン授業でパワーポイントの画面共有などでICTを活用しています。

 

初めは手探りでICT活用を開始し、通信障害やなかなかスムーズに進められないといった課題があったそうです。しかし、慣れてきた今は以前よりも効率よく授業が進められて、課題管理などの時間も大幅に減ったといいます。

 

ICTを活用することで、空いた時間に教材研究をするなど、さらに良い授業を提供できる可能性が期待できますね。 一方、台湾の学校で勤務されているAさんは、ICT活用に興味を持っている段階だといいます。現在はホワイトボードに板書していますが、書いている時間が無駄だと感じているため、できるだけパソコンの画面を映すなど、ICTを導入していきたいとおっしゃっていました。

まとめ

以上、板書の基本的な役割から、現役日本語教師2人のお話をもとに板書について考えてきました。プロの日本語教師でも、板書については日々悩み、時にはICTを活用して改善しながら授業を行っているようでした。教育現場でのICT活用例も紹介しましたが、いかがでしたか?

 

日本語教師を目指している方や、すでに日本語教師として働いている方、今後ご自身がどのような授業をしていきたいかなど、考えるきっかけになれば幸いです。

さいごに

学生によっては、アナログ方式が合っているという人もいるかもしれません。集団授業では、すべて個別に対応するなどはなかなか難しいですが、教師がひとこと声をかけて確認するなどできることはありそうです。デジタル化を促進するのはいいことが多いと思います。

 

しかし、教育はやはり人と人との温度がある分野です。教師と直接話す時間を意識的に設けていくとバランスのよいクラスづくりができると思います。今まで消極的であまりコミュニケーションを取れなかった学生も、チャット機能を活用するなどし、積極的に授業に参加できるようになったというエピソードもありました。

 

日本語教育においても、ICT活用によって授業や学校の在り方が変化しつつある時代です。最新の技術はどんどん取り入れて、うまく活用していくべきですが、学生の立場に立ち、分かりやすい授業をするという本質は見失わないようにしていきたいですね。

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マガジン編集部

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この記事を監修した人

「言葉を教え、文化を広げ、異文化に橋を架けよう」というサービス理念のもと、国内・海外に日本語教育を展開している会社です。日本語を学び、日本語を使い、日本語でつながり、夢を実現するまでの教育を行っています。

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